ここ数年、長期的に高い成長を見せる米国株に注目する日本人投資家が増えてきました。
2022年には円安ドル高が進んでいることから、米国株に興味を持ったといった方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、米国株への投資を検討されている方に向けて、米国株の基本から、おすすめの銘柄や証券会社などをご紹介していきます。
- 米国株は将来性の高い銘柄が多い
- 米国株投資は株価だけでなく為替リスクにも注意が必要
- 米国株投資するなら銘柄が多く手数料の安い証券会社がおすすめ
- 米国株投資でおすすめの証券口座はSBI証券、楽天証券、マネックス証券
監修者
國弘泰治さん
MBA・FP office alive取締役代表
香川大学大学院修了後、大手流通企業に入社するも3か月で退社し、実家である酒屋の販売部門で店長となる。3年ほど勤め、投資用不動産販売企業で営業として入社し、新規のアポイントで1番となる。その後1年半で退職し、フリーターをしながらFP資格(AFP)を取得し、2017年にFPオフィスALIVEを開業。2021年にMBA・FPオフィスALIVEと改め現在に至る。
<保有資格> MBA(経営学修士) ,2級ファイナンシャルプランニング技能士,AFP(日本FP協会),日本学生支援機構認定スカラシップアドバイザー
米国株とは
そもそも米国株とは
そもそも米国株とはどのようなものなのでしょうか。
日本の場合には東京証券取引所などに上場している株を取引できますが、アメリカにもいくつかの証券取引所があります。
米国株は、これらアメリカの証券取引所に上場している株式に投資するもので、これらの株式に投資することを米国株投資と呼びます。
アメリカの証券取引所
アメリカの証券取引所には以下のようなものがあります。
- ニューヨーク証券取引所(NYSE)
- NYSE Arca
- NYSE American
- ナスダック証券取引所(NASDAQ)
ニューヨーク証券取引所は世界最大の証券取引所で、コカ・コーラやナイキ、ウォルトディズニーなどが上場しています。
また、ナスダック証券取引所は新興企業向け証券取引所でハイテク企業の多くが上場しています。
新興企業とはいえ、インテルやマイクロソフトなどはナスダックに上場しています。
米国株に関する指数
米国株に投資する際にはさまざまな指数を投資の参考にする必要がありますが、中でも代表的なものとして以下3つを押さえておくとよいでしょう。
- NYダウ
- ナスダック総合指数
- S&P500
NYダウとは「ダウ工業株30種平均」といわれるもので、アメリカの上場企業の中から、ダウ・ジョーンズ社が選んだ30銘柄で構成される株価指数です。
30銘柄の中にはマクドナルドやアップル、マイクロソフトなどがあります。
ナスダック総合指数とは、ナスダックに上場している全銘柄を対象とする指数です。
1971年2月5日の時価総額を100として、指数が変動します。
S&P500はスタンダード・アンド・プアーズ社によりニューヨーク証券取引所とナスダックに上場している企業の中から代表的な500社を選んで算出される株価指数です。
米国株に投資するメリット
それぞれ見ていきましょう。
少数から投資できる
このため、少額で始められる点は大きなメリットとなるでしょう。
例えば、株価が1万円の銘柄であれば、日本株式で100株単位だと100万円必要です。
一方、米国株では1株単位であれば1万円から投資を始められることになります。
少額であれば投資初心者の方でも始めやすいはず。
また、少額で投資できるということは、分散投資をしやすいというメリットもあります。
将来性が高い
米国株のメリットとして、成長性・将来性が高いことが挙げられます。
実際に、米国株に投資する方でこの点を一番の魅力として挙げられる方も多いでしょう。
日本の株式の中にも成長性の高い銘柄はありますが、今後日本は少子高齢化が進み、人口が減少していくことが考えられます。
国としての経済性が大きく成長することが難しい状況にあるといえるでしょう。
米国株は、過去、リーマンショックやコロナショックなどで暴落した時期もありますが、長期的に見ると驚異的なスピードで株価が上昇していっているといえるでしょう。
高配当銘柄が多い
これは、アメリカの企業が日本の企業と比べて、事業の結果得られた利益を株牛に還元することを重視していることが理由として挙げられます。
なお、日本では年に2回程度の配当金が一般的であるのに対し、米国株は多くの場合年に4回となっています。
米国株に投資するデメリット
それぞれ見ていきましょう。
売買手数料が高い
実際の売買手数料は投資する証券会社により異なるため、投資前に確認しておくようにしましょう。
証券会社によっては、米国株投資の売買手数料を安くしてくれるキャンペーンなど実施しているケースもあるため、このようなキャンペーンを上手に活用して、総合的に判断することが大切です。
為替リスクも考慮する必要がある
相場によっては、株価は上がったのに円高になってしまい、トータルでマイナスになってしまうということがあるのです。
もちろん、その逆に、株価は下がったのに円安になってプラスになったり、株価は上がってさらに円安でプラスの幅が倍増するといったケースも考えられます。
二重課税になる可能性がある
米国株を売買することによる売買差益については日本株と同様ですが、配当金については、アメリカで10%引かれたうえで、日本でも20.315%が源泉徴収されてしまいます。
とはいえ、この二重課税については、確定申告することで、アメリカで課された税金を日本国内の所得税から控除することが可能です。
この制度のことを外国税額控除と呼びます。
米国株のおすすめ銘柄TOP10
投資を始めたばかりの方は、どの銘柄に投資すればいいのか迷うことでしょう。
アップル(AAPL)
まず、知らない人はいないであろう時価総額世界一のアップルです。
代表的な製品としてiPhone、各種デジタル製品、ソフトウェアの販売を手掛けます。
自社工場ではない為に部品供給などの制約を受けやすい性質や、ドル高の影響を受けやすい傾向はありますが、やはりなんといってもユーザーの数の多さ。
また、iPhoneユーザーは世界的に見ても同じ製品を使い続けるという傾向がみられます。
アッヴィ(ABBV)
アッヴィは100年以上の歴史を持つ製薬、バイオ医薬品開発企業です。
コロナワクチン開発へも力を入れており、製薬企業において世界第二位(一位はファイザー)。
また、代表医薬品としてヒュムラ(関節リウマチ)など、年間10億ドル以上の売上高を持ちます。
また新薬開発に力を入れており、自己免疫疾患治療の新薬の販売や治験最終段階の新薬も数多く、今後の成長も期待できる銘柄といえるでしょう。
マイクロソフト(MSFT)
マイクロソフトも知らない人はいないでしょう。
マイクロソフトは多様なソフトウエア製品の開発・製造・販売、ライセンスやクラウドサービス等、幅広い活動をしています。
コロナの影響で在宅ワークをする人が増え、ヴァーチャルデスクトップなどのクラウドサービスの利用者が増加。
多くの企業がコロナによるマイナス影響を受ける中、マイクロソフトは売上を着実に上げ、売上2兆越えの時価総額世界第二位となっています。
アルファベット(GOOG)
アルファベットは時価総額世界6位。
世界最大のIT企業で、有名な検索サイトGoogleやYoutube、Chromeを運営しています。
コロナにより在宅ワークやリモートワークが増えたことやYoutube利用者増加などにより、2019年から2022年の間で利益が約2倍に増加。
アルファベットは売上を自動運転などの新規事業や成長分野に優先的に投資するので、配当金はありません。
しかし、今後も安定した広告収入や売り上げが期待され、長期的に投資する価値のある銘柄といえるでしょう。
エヌビディア(NVDA)
ゲーム分野、ゲーミングPC、データセンター向け半導体を販売する大手半導体メーカーがエヌビディアです。
AI学習機能やゲームなどに用いられる、コンピュータ画像処理の為の半導体をGPUと言い、世界有数のGPUメーカーとしてエヌビディアは有名です。
テスラ(TSLA)
テスラは自動車関連事業とエネルギー関連事業を主要とし、世界最大の自動車メーカーです。
ネットフリックス(NFLX)
主に動画配信サービスを手掛けるネットフリックスは、世界的なコロナの影響で在宅時間が増えたこともあり、2021年には急成長した企業です。
2022年初めの料金値上げもあって会員数の減少がみられましたが、2023年に低価格を求めるユーザーに対して、広告付きプランを新しく導入することを決定しています。
ビザ(V)
ビザはクレジットカードで国際的に有名なブランドVISAカードの運営や、電子決済などの提供を行っている企業で、国際的なクレジットブランドの中でもトップシェアを誇っています。
特に注目すべきは純利益率の高さでしょう。
売上が高くても、原材料や人件費などを引くと利益率がマイナスなることもある中、ビザの純利益率は50~60%。
コロナの影響により売上が下がりましたが、世界的にコロナが落ち着いてきた現在、今後経済成長と供に売上が期待できる銘柄といえるでしょう。
コカ・コーラ(KO)
コカコーラカンパニーは、日本でも知らない人はいないであろうコカコーラで有名な飲料水の製造販売を手掛ける企業。
2020年にコロナによる影響を受けましたが、2021年以降は回復傾向にあります。
ジョンソンエンドジョンソン(JNJ)
いわずと知れたヘルスケア企業として有名なジョンソンエンドジョンソン。
コロナウイルスワクチン開発などの医薬品事業から、ベビーローションやバンドエイドなどの家庭用の衛生用品販売まで幅広く行い、医療機器事業のシェアは世界第二位となっています。
米国株に投資する際の証券会社の選び方
米国株に投資するには、まず証券会社で口座を解説しなければなりません。
では実際に米国株に投資する際には、どのような視点で証券会社を選ぶとよいのでしょうか。
取扱銘柄の豊富さ
国内の証券取引所で米国株に投資する場合、どの証券取引所を選ぶかで投資できる銘柄の数が大きく変わります。
米国株への投資を考えているのであれば、まずは米国株への投資に力を入れており、豊富な銘柄の中から投資先を選べる証券会社を選ぶようにするとよいでしょう。
手数料の安さ
米国株への投資に限らず、投資するのであれば少しでも手数料を安く抑えたいものです。
米国株への投資でおすすめの証券会社3選
それぞれ見ていきましょう。
マネックス証券
米国株投資でマネックス証券を選ぶメリット
マネックス証券で米国株に投資するメリットには以下のようなものがあります。
- 銘柄数が豊富
- 手数料が安い
- 豊富な注文方法
マネックス証券の米国株投資銘柄は、2024年11月時点で5,000超と豊富な銘柄の中から選べるようになっています。
個別株だけでなく、ETFなど幅広く投資可能です。
また、マネックス証券は取引手数料0米ドル~約定代金の0.495%と業界最低水準となっています。
さらに、「逆指値」や「ツイン指値」など豊富な注文方法を選べる点も魅力。
特に米国株投資は日本時間の深夜に投資する必要があるため、さまざまな注文方法を駆使して取引を進められる点はありがたいところでしょう。
米国株投資でマネックス証券を選ぶデメリット
一方、マネックス証券で米国株に投資するデメリットとしては、米国株以外の外国株に投資しようとすると、中国株しか選択肢がないことが挙げられるでしょう。
アメリカに限らず、広く外国株式への投資を考えている人は、マネックス証券以外に他の証券会社でも口座開設を検討したほうがよいといえます。
SBI証券
米国株投資でSBI証券を選ぶメリット
SBI証券で米国株に投資するメリットには以下のようなものがあります。
- 取扱銘柄が豊富
- 外貨買付手数料が安い
- 米国株貸付サービス
SBI証券の米国株取扱銘柄は、2024年11月時点で6,000株超。
以前はマネックス証券の方が銘柄数が多かったのですが、ここ数年で大きく取扱銘柄数を伸ばしています。
また、SBI証券と連携して利用できる住信SBIネット銀行の外貨普通預金で外貨を買い付けると1米ドルあたり0.06円と非常に低い水準で買い付けることができます。
米国株取引手数料も業界最低水準のため、トータルでみてお得です。
さらに、SBI証券には業界で唯一、貸株サービスがあります。
このサービスは、保有銘柄を貸すことで金利を得られるというもの。
銘柄により得られる利息は異なりますが、多いものだと2.0%のものもあります。
長期保有前提という方にはおすすめのサービスだといえるでしょう。
米国株投資でSBI証券を選ぶデメリット
SBI証券で米国株に投資する際のデメリットとしては、株価がリアルタイムで表示されず、15分遅れとなってしまうことが挙げられるでしょう。
この制限を解除するには、1ヶ月以内に米国株の売買が1回以上あるか、月額330円の追加料金を支払う必要があります。
楽天証券
米国株投資で楽天証券を選ぶメリット
楽天証券で米国株に投資するメリットには、以下のようなものがあります。
- 取扱い銘柄が豊富
- 米国株投資に楽天ポイントが使えて、貯めることができる
- 無料にてリアルタイムで米国株価情報を確認することができる
楽天証券の米国株取扱銘柄は2024年11月現在、ETF合わせて約5000銘柄。
SBI証券の種類には劣りますが、十分な銘柄数といえます。
そして、なんといっても楽天証券を選ぶ大きなメリットは楽天ポイントを米国株投資に使えることでしょう。
楽天ポイントは4大共通ポイントと呼ばれるポイントの中でもトップの利用者満足度を誇ります。
米国株投資にポイントを使うことができるのは、大手のネット証券会社の中でも楽天証券だけです。
楽天ポイントをメインで利用している人が米国株投資をするなら、楽天証券を選ぶとよいでしょう。
また、楽天証券は投資によってポイントを貯めることができます。
ポイントを使えるだけでなく、投資をすることでまたポイントが貯まるので、楽天ポイントユーザーにとってはいいことづくめではないでしょうか。
楽天銀行口座を持っている人であれば、新たに口座開設しなくとも楽天銀行口座の預金を使ってネット上で米国株取引ができるのも楽天証券のメリット。
米国株投資を始めたい、一から証券会社の口座開設をするのが面倒な人にとっては手間をかけずに米国株取引を始めることができます。
また、2022年5月からオンラインでの株価確認が可能になったことも楽天証券で米国株投資をする大きなメリットといえます。
このサービスは無料で手続きも不要なので、米国株投資をこれから始める人にとってはスムーズな投資に非常に役立つでしょう。
米国株投資で楽天証券を選ぶデメリット
楽天証券で米国株に投資するデメリットとして、時間外の米国株取引に非対応であることが挙げられます。
証券会社のほとんどが時間外取引に対応していないのですが、少しの時間で利益や損失が変わってくる米国株投資においては不自由な点でしょう。
また米国株以外の投資をする場合に、楽天証券ではSBI証券に比べると充実度が劣り、ベトナム・韓国・ロシア株への投資は不可となっています。
米国株への投資でよくある質問
Q:米国株初心者はどのような投資がおすすめですか?
A:おすすめの投資方法として以下のようなものがあります。
- バリュー投資
- グロース投資
バリュー投資は、業績や実績に対して株価が安めになっている企業に投資する方法です。
単価が安い分、複数の企業に分散して投資するのが基本となります。
単価が安い企業を選び投資を分散するので、初心者でも大きな損失をしにくい投資方法といえるでしょう。
グロース投資は、売上や純利益を伸ばしている企業に注目して投資する方法です。
成長度を見て投資するので、初心者でも比較的選びやすい方法といえるでしょう。
Q:配当金は必ずありますか?
A:米国株の大きな特徴として高配当利回りという特徴がありますが、中には配当金がない会社もあるので注意しましょう。
利益を新しい事業に回すことや企業の成長の為の投資を優先していること等が理由として挙げられます。
Q:米国株には株主優待はありますか?
A:ありません。
この点は日本株と米国株の大きな違いの一つでしょう。
なお、日本でも海外投資家に反映させられないことや公平に利益を株主へ還元するためにも、今後は株主優待廃止を検討している企業が増えてきています。
Q:米国株の取引可能時間は?
A:米国株の一般的な取引可能時間は以下のようになっています。
時間(日本時刻) | |
通常 | 23:30~翌6:00 |
サマータイム期 (3月第二日曜~11月第一日曜) |
22:30~翌5:00 |
おすすめの米国株まとめ
以上、米国株についての説明、おすすめの米国株銘柄やおすすめの証券会社や質問などについて説明しました。
投資自体が初めての方、投資はしていても米国株取引は初めての方もいらっしゃるでしょう。
有名な企業の株を一株から安値で購入することができる、日本と異なり透明であることを心掛けている企業が多い、高配当など米国株投資には魅力的な点が多くあります。
ただ、やみくもに投資すると思わぬ損失に繋がってしまうので、そのための企業についての研究や投資方法についての情報収集が重要といえるでしょう。
ネットでの情報やご利用の証券会社のツールなども最大限に利用し、後悔のない米国投資をしていただきたいです。
株式投資などでトラブルに巻き込まれないために!
消費者庁提供:「投資などのお金に関するトラブルや悪質商法について」
消費者庁提供:「お金を育てる「資産運用」の知識」
【各種投資を始める前に確認しましょう。】
消費者庁提供:「投資などのお金に関するトラブルや悪質商法について」
【投資の仕組みを理解しよう!】
消費者庁提供:「お金を育てる「資産運用」の知識」
当記事管理者情報 プレミアム優待倶楽部PORTAL運営 株式会社ウィルズ マーケティング室 担当:山中
記事管理者情報 | 経歴・概要 |
プレミアム優待倶楽部PORTAL 運営 株式会社ウィルズ マーケティング室 山中 慶太郎 (Keitaro Yamanaka) |
株式会社ウィルズ マーケティング室 山中 慶太郎 (Keitaro Yamanaka) 慶應義塾大学卒業 株式会社ウィルズ並びに、 ウィルズ子会社ネットマイルの マーケティング業務を統括。 本トピックでは、有識者の監修を行い、 消費者志向自主宣言のポリシーの基、 幅広く金融商品に関するご紹介を行っております。 記事内容に関する、誤りの修正、 ご質問などがございましたら、 当社、お問い合わせフォームからお申し出ください。 |